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中国で感じた“危機感”。日本の未来を照らすため、ソフトバンクの道筋をつくる/AI群戦略の最前線#2

大手製造メーカーの広報・経営企画・財務を経て、2018年3月に財務統括 経営企画本部に中途入社し、現在はAI関連事業の子会社で管理部長を務める坂東 竜聡。子会社・ジョイントベンチャー(JV)の利益管理や、出資・会社設立などを通じて坂東が体感した、「想定外の連続」というソフトバンクの経営企画の醍醐味について語ります。

驚異的な中国のIT化と、日本への危機感

私は2005年、豊田自動織機に新卒で入社しました。日本の強みであるものづくりや、その根底にある徹底した品質・安全・原価管理に触れたかったからです。

中でも豊田自動織機は、トヨタグループの源流企業として、愛知県で「エクセレントカンパニー」と言われていた歴史ある会社です。そんな70年以上続く名門企業に、身を置いて成長したいという思いもありました。

入社して最初に配属されたのが広報部でした。そこでは社内報や英文のグループ報の編集長を務め、社内向けの社長ホームページや、海外子会社向けのWebサイト制作を主導しました。

その後入社5年ほどで自動車エンジンをつくる事業部に異動となり、経営企画として事業部の方針策定や、エンジン事業管轄下の海外子会社管理を任され、中国の子会社に出向もしました。その子会社では過去20年間、日本人が財務責任者を担い、私もその立場での赴任でした。それから現地で後任人材を育成し、管理とガバナンスの仕組みを整備することで、私の帰任後は専任の日本人が不要になりました。原価の改善を通じて過去最高収益の達成にも貢献し、ひとつの成功体験となりました。

帰国後は、新規事業の利益関連業務を任され、早期の黒字化の実現を託されました。当初「黒字化に3年」と言われていた事業でしたが、初年度で黒字化の目処がたちました。毎日何度も工場に行き、製造現場と一体となって技術部門も巻き込んで徹底的な原価低減に取り組んだことが、功を奏したのです。

こうして国内外で事業を軌道に乗せた経験を経て、新たなチャレンジのフィールドを意識するようになり、転職も考えるようになりました。

そこで思い出したのが、中国駐在時に実感した“生活の便利さ”でした。決済はWeChatPayやAlipayでキャッシュレスで行える。町中いたるところにシェアサイクルのステーションがあり、またタクシーがつかまりにくい場所や時間帯でもDiDiをつかえばタクシーがすぐに来る。スマホを少し操作するだけで、お気に入りのレストランから今いる場所に食事が届く。そんなふうに中国のIT化のスピードに何度も驚かされ、「こういった革新的なサービスを日本にも普及させないと、日本の将来は明るくならない」と思いました。

ちょうどそのとき、すでに最先端技術を使った事業開発に着手していたのがソフトバンクだったんです。経験してきた管理会計や子会社管理が生かせることもありますが、純粋に未来のビジョンに強く共感して、入社を決めました。

情熱と冷静さを兼ね備え、組織の方向性を示していく

ソフトバンクの経営理念は「情報革命で人々を幸せに」。目指す世界は壮大で、ITを軸に多様なビジネスを展開し、変化が激しいです。直近では上場や、ヤフーの連結子会社化など、普通の会社なら10年かかるようなことが、半年ごとに起こるスピード感です。だからこそ、「いま自分たちがどこにいて、どこに向かうのか」という方向性を示すことが重要です。その道筋を立てていくのが、経営企画本部の役割だと受け止めています。

経営企画本部にもいくつかの機能があり、私が所属していた事業推進チームでは、子会社やJVの管理や、出資・売却・会社設立の推進を行っています。

海外子会社の管理では、PLを分析し、現地の実情や課題をまとめてレポーティングしています。分析の過程で課題や注目すべきと感じた点を中心に、関係者にヒアリングし、必要があれば現地にも出張して実態把握に努めます。「なぜ売上が増えているのか」「なぜこの数字になっているのか」と、小さな変化や予兆を見逃さず、敏感に感じ取れる“嗅覚”が求められます。

JVの利益管理でも同様に、JV担当者との密な連携が重要です。ソフトバンクからJVへの出資額は数十億円規模になる案件も多く、増資など重要な動きであれば、ソフトバンクの経営陣の承認を取りながら案件を進めます。JVに出向している経営企画担当者が、本業と並行してソフトバンクの経営承認を取るのは負荷が大きいため、私たちがサポートしています。現場で起きている状況の把握がスピード感ある対応につながるため、JVのオフィスに顔を出し、情報収集を欠かさないようにしています。

出資・売却・会社設立の案件は、近年増え続けています。事業部門から打診された案件ごとに、「投資目的と出資額が見合っているか」「リスク・リターンは何か」をまとめ、経営陣に報告します。

打診がある時点で、事業部門の思いとしては、なんとしても出資を実現したいんですよね。ただ私たちの役割は、本当に投資する価値があるかを冷静に見極めることです。あくまでフラットな目線で「やる」「やらない」の判断をします。仮に、現在の案での投資が難しいという判断になれば、どうすればリスクが軽減し、投資価値が上がるのかというフィードバックを事業部門に返します。

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▲第33回定時株主総会 事業戦略資料

直近で担当した案件で、私自身が惚れ込むような技術を持った会社との案件がありました。私が思い描く理想の未来に絶対欠かせないもので、当然我々も人間なので、魅力的な案件が来ればホットになってしまう。

一方で、案件のリスクや改善点のあらを探し、適正に評価をするのが経営企画としての役割。あえてこの案件にネガティブな見解の人の意見も取りに行ったり、先の先のリスクまで見越すようにして、あくまで冷静に、フラットに向き合うことで、案件が正常に評価されることを支えました。

私たちの業務は一見、冷静にジャッジするだけに思えるかもしれませんが、各案件に深く入り込んでいくため、かかる労力は外から見える以上のものがあります。事業への興味や情熱を、冷静な分析や提案に転換する。そんな仕事だと思っています。

年次や経験は関係ない。必要なのはチャンスを掴む意志

ソフトバンクに入社して気づいたのは、想像以上にチャンスのある環境が広がっていたことです。最初に驚いたこととして、どの経営陣も皆ファイナンスに精通していて、テクニカルな話題が経営陣から提案・追求されるということがあります。これは前職からは全く想像できないシチュエーションで、私も中国駐在時に財務を見た経験はありましたが、入社当初は全く歯が立ちませんでした。

メーカーでは原価などミクロに見る機会が多く、管理会計や子会社管理にも自信がありました。一方ソフトバンクでは、ファイナンスを通じたマクロの視点というか、広く見て大きくお金を使うことも重視しています。ファイナンスが共通言語化されていて、高度な話題を要求される厳しさがあります。しかしその分、ビジネスに携わるなかで感性が磨かれていくことを実感できます。

入社して半年程のころ、初対面の方にEQ(Emotional Intelligence Quotient)が高いですね、と言われました。これは従来の自分からすれば意外なコメントでした。ソフトバンクでは在宅勤務のメンバーや時差のある海外とのやりとりなど、非対面でのコミュニケーションも日常的なんです。さまざまなステークホルダーの思惑が入り乱れる案件を推進するなかで、TV会議やチャットツールなどのコミュニケーションツールを使いながら、自然と人の感情を察知する力が培われたのかと思います。

情報のアンテナの張り方も大きく変わりました。世の中にあるプロダクトをブラッシュアップしたものであれば、それなりに調べることができます。しかし私たちが挑戦している領域は前例がない上に、日々ものすごいスピードで進化しています。過去に「サイバーセキュリティ」×「AI」という案件を扱ったのですが、当時「サイバーセキュリティ」だけでも進化している先端事例なのに、そこに「AI」が加わってきたことで、事業やテクノロジーを理解するのに苦労しました。

幸い経営企画本部は最先端技術に詳しい人が多く、ちょっとした雑談からトレンドをキャッチできる環境です。周囲の影響で最新の技術トレンドへの感度が高まり、海外の媒体も含めたさまざまな種類の新聞やWebコンテンツを見るようになりました。日頃から全方位的に情報のアンテナを張り、多種多様な大量の情報を取り込むことで、時代の先の先を読む力も養われるように思います。

ソフトバンクは意思決定のスピードも、動かす金額の規模も、案件の質も、一般的な世の中の水準とは差があるように思います。同時に複数案件に関わることも珍しくありません。

「100億円規模の投資案件」と聞くと、一般的には選ばれし者が担当するというイメージではないでしょうか。しかし、ソフトバンクでは年次に関わらず携われるチャンスがあります。私も出資未経験で入社して、1年目でいくつもの案件を経験し、巨額の出資案件も任せてもらいました。そして現在は、出資の検討段階から関わった会社に設立時より管理部長として出向するなど、新たな挑戦のステージを与えてもらっています。変化が次々に起こる最先端の環境にい続けるからこそ、チャンスも多く、自身の成長が促される環境だと実感しています。

世界の最先端の技術を、日本に馴染ませて、根付かせる

▲現在、日本コンピュータビジョンに管理部長として出向

私自身、広報からキャリアをスタートして、事業企画、経営企画、財務へとシフトしてきました。キャリア戦略みたいなことを大まじめに考えたことはないですが、さまざまな縁から未経験分野への挑戦が当たり前になって、面白そうだったら何とかなるだろうと、新しい環境に飛び込んで今までやってきました。

ソフトバンクでは世界最先端の技術を持つユニコーン企業とのJVや、アーリーステージの事業の立ち上げが増え続けています。経営企画本部では「CFO100」というプロジェクトがあって、JVや子会社のCFOや、実質的なCFOとしての管理部長を数多く輩出することを宣言しています。「こういうことを学んで成し遂げていけば、いつかCFOになれる」という指針が公開されているんですね。

新会社の立ち上げ時期は、一番大変で、だからこそ面白い。私も「CFO100」の流れに乗って、管理部長として子会社への出向が決まりました。管理部では財務だけでなく、人事・総務、法務や情報セキュリティ、購買など幅広く見ていく必要があります。また、ゼロから会社を形作り、商品だけでなく、企業としても世の中に受け入れていただけるようにしていかなければなりません。技術や営業部門もそうですが、管理部門という立場でも非常にやりがいのあるステージです。

エネルギッシュで熱量の高いスタートアップらしい空気のなか、自身のこれまでの経験や知識に加え、経営企画本部での役割を通じて築いたソフトバンク社内の人脈の後押しも受けながら、仲間と共に毎日夢中で取り組んでいます。

いずれ世界中から注目を集める原石のような会社でCFOになるチャンスがあるというのは、ソフトバンクならではだと思います。CFOにこだわっているわけではありませんが、目の前にある機会を掴むことでキャリアの幅を広げていきたい。環境を存分に生かしながら、私が以前中国で感じた「世界にインパクトを与えるサービスを提供したい、日本を変えたい」という思いを叶えたいと思います。

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