プロジェクトストーリー 業界初の
「データ容量実質無制限」プラン

ウルトラギガモンスター

「ウルトラギガモンスター」は、2017年にソフトバンクが発表した
データ容量を実質無制限にする料金プランである。
約90%のお客さまの満足を実現し、
業界の常識を塗り替えた
当プランの誕生秘話に迫る。

音楽も動画も、スマートフォンで視聴することが当たり前になり、
スマートフォンでできることが広がり続けている今、
「データ容量の制限がお客さまにストレスを与えているのではないか」という問題認識があった。
ソフトバンクはいち早くその問題の解決に着手。
それが現場の社員からボトムアップで生まれた「ウルトラギガモンスター」だ。
50GBのデータ容量を定額で利用できるプランで、現在多くのお客さまが加入している。
ソフトバンクは、このデータ容量実質無制限プランによって業界の常識を刷新した。

  • 渡邊 江里 Eri Watanabe

    コンシューマ事業統括 プロダクト&マーケティング統括
    モバイル事業推進本部 事業企画統括部
    サービスプランニング部 1課
    2004年度新卒入社

  • 荒川 桃子 Momoko Arakawa

    コンシューマ事業統括 プロダクト&マーケティング統括
    モバイル事業推進本部 事業企画統括部
    サービスプランニング部 1課
    2009年度新卒入社

  • 松本 岳彦 TAKAHIKO MATSUMOTO

    コンシューマ事業統括 プロダクト&マーケティング統括
    プロダクト&マーケティング戦略本部 事業管理統括部
    事業管理1部 総合事業管理課
    2015年度新卒入社

業界を驚かせた企画は、
10人の社員から始まった

Episode.1 新プランの企画の発端は
お客さまからのリアルな声
お客さまが満足できていない
現状を変えたい

2018年9月、ソフトバンクの大容量データを中心としたスマートフォン向けの新プラン「ウルトラギガモンスター+(プラス)」がスタートした。「ウルトラギガモンスター+」は、月間50GBのデータ容量を定額で利用できるうえ、対象の動画サービスやSNSが使い放題となるプランだ。その前身として、ソフトバンクは2016年に20GBのデータ容量を定額で利用できる「ギガモンスター」、2017年には50GBのデータ容量を定額で利用できる「ウルトラギガモンスター」というプランを打ち出し、業界を驚かせた。「ウルトラギガモンスター」を実現するにあたり、収益のシミュレーションなどに携わった松本が、企画が立ち上がるまでの背景について語った。

「スマートフォンの楽しみ方が広がるにつれ、データ容量の上限や速度制限を常に気にされるお客さまが増えるようになり、データ容量の制限がお客さまにストレスを感じさせているのではないかという懸念を抱くようになりました。最初に『ギガモンスター』がスタートしたとき、お客さまの約半数に加入いただけるほどご好評をいただきました。それでも、外出時には動画を見ないようにしているとか、Wi-Fiスポットがないとアプリケーションを使わないとか、そんな声も耳に入るようになってきて。それは、お客さまソフトバンクのサービスを存分に使えていない、満足できていない状態であり、双方が不幸せなことだと考えていました。そんな中、現場の担当者からのボトムアップで『ウルトラギガモンスター』というプランの案が出てきました」

「ウルトラギガモンスター」の企画が立案されたとき、渡邊は販売企画部に在籍していた。モバイル事業の販売企画を一手に担い、企画の草案から運用までの全ての工程をまとめ、マネジメントしていた。渡邊らが経営会議で付議した案件を、さらに詳細な仕様に落とし込んでいくのが荒川の役割だ。経営会議では議論にあまり上がらないシステム、カスタマーサービス、店頭業務や法務観点で留意すべき事項などの内容を詰め、担当部門と密接にやり取りをしていった。

Episode.2 企画の決議からリリースまでにかかった時間はたった2カ月間
経営理念「情報革命で人々を幸せに」を体現するための驚異的なスピード

「お客さまに満足して使っていただくために大容量のプランを実装するとなると、ネットワークの設備も増強しなければいけません。そのためのお金を確保するため、収益のシミュレーションでは100円単位の値付けまで丁寧に行います。お客さまにソフトバンクを利用する価値を感じてもらいつつ、サービスを維持するための収益が確保できるよう、どうすれば両者がWin-Winのバランスになるのか、日々考え続けました」

当時を振り返り、松本はこう語る。ソフトバンクの「情報革命で人々を幸せに」という経営理念を体現し、お客さまの満足や幸福を実現するためには、企画のアイデアはもちろん、それを届けるスピードも重要になる。「ウルトラギガモンスター」は、ボトムアップの企画でありながら、企画の決議から約2カ月というハイスピードでリリースに至った。

「ストレスフリーでお使いいただけるプランをぜひ試していただきたい!もう一押し出来ないものか」そんな思いから予定していたプランに加え、リリース直前には、『みんな家族ご紹介キャンペーン』や『ギガ楽しもうキャンペーン』を追加しました。」短期間の建付けももちろんたいへんですが、それを実装してくれるシステム部門にはいつも感謝しています。」

全体を統括する役割を担っていた渡邊は、当時を振り返ってこう話した。詳細を決め、現場に落とし込む荒川は、あまりのスピード感に現場のメンバーが驚いていたことを思い出すという。10人のメンバーから始まった企画は、「お客さまの満足のため」という目標のもと、多くの人々を巻き込んで一大プロジェクトへと成長を遂げた。

Episode.3 成功のカギは社員同士の密な連携
ボトムアップだからこそ発揮された主体性

「ウルトラギガモンスター」が誕生した2017年当時には、すでに容量は少ないが安価に利用できる格安スマホなどが話題となっていた。多様化するお客さまのニーズを考えたとき、大容量プランと低容量の格安プランのどちらに舵を切るかという点が企画の争点になったこともあった。

「低容量で安いプランを打ち出す事業者も増えている中で、ソフトバンクが大容量プランを発表するのは勇気がいることでした。お客さまの満足度を考えれば、必要なプランであるとは考えていましたが、それがお客さまにどれくらい受け入れていただけるかは調査と推測を重ねていくしかなくて。安ければお客さまに選ばれるのかというとそれだけではない、経済合理性だけでは測れないものがあります。それを予測するのはチャレンジでした」

座談会形式のインタビュー調査でさまざまなお客さまの声を拾いながら、原案から試算しては変え、試算しては変えを繰り返して企画を揉み続けてきたという松本。その試算やインタビュー調査の繰り返しによって、毎週30分間の経営会議のために作成したアペンディックス資料は100ページを超えた。短期間で今までにないプランを実現するにあたり、関係する各部門とのコミュニケーション総量は膨大だ。荒川は、社内からの問い合わせ対応用にFAQをまとめたり、時には1日100件以上もの質問に答えてきた。それほどの問い合わせを一手に引き受けながらも、社内のコミュニケーションに苦労したことはないそうだ。

「チャットツールなどをフル活用して、各部門との連絡は相当密に、タイムリーに取れていたと思います。私は、何か確認したいことがある場合、ミーティングを行うのが一番早くて、認識齟齬も生まれないと思っているので、本社にいるメンバーにはすぐに声を掛けて直接話していました」

一分一秒を惜しんで走り抜けた「ウルトラギガモンスター」の企画は、密度の濃い社員同士のコミュニケーションと、ボトムアップだからこそ発揮される社員の主体性とスピード感が支えていた。

Episode.4 “お祭り”の中で感じる誇りと感謝

2018年8月、「“ソフトバンク”の新サービスに関する記者発表会」で、ソフトバンク加入者の約70%が大容量プランに加入していると発表した。また、約90%のお客さまがプランに満足している。「ウルトラギガモンスター」は、大成功をおさめたと言えるであろう。

「何度も試算や予測を繰り返してきましたが、我々の想像以上にお客さまに満足していただけているという点で、成功だったと感じています。ストレスフリーになった、我慢することがなくなったという声は私にまで届いていますし、実際に全体のデータ使用量もグッと伸びました。お客さまはもちろん、ソフトバンクにとってもハッピーな結果になりました」

そう言って、松本は安堵の様子と笑顔を見せた。このようにお客さまの生活を直接左右するような大きなプロジェクトに携わる意義や喜びについて、渡邊はこう話す。

「ボトムアップで立案したことがお客さまに認められ、その結果が数字でも出ているということは、本当に素直にうれしく思いました。また、今回は『みんな家族割』という割引プランにも並行して手を加え、ソフトバンクの「家族の定義」を周知できたことも良かったです。10年以上手を付けていなかったホームページ上の表記なども見直し、遠くの親戚、近くの恋人、シェアハウスの仲間も、みんな家族だと再周知しました。ちょうど同性パートナーシップ条例なども話題になっていた時期だったことが、追い風になりました。このタイミングで、ソフトバンクらしさを世間に知ってもらえたことが良かったです」

続けて、荒川が仕事で得られた誇りについて語った。

「『ウルトラギガモンスター』のような大容量プランなど、“業界初”に携わることができることはうれしいですし、誇りに思います。その中で、一部門だけでは成し遂げられない、全社をあげての取り組みから、お客さまに新たなサービスを提供できて一緒に喜びを分かち合えるのは、それだけでやりがいがあることだと感じます。同時に、感謝を覚えるような素晴らしい業務をさせていただいているとも思います」

ソフトバンクで
「業界初」の幸せに携わる

「情報革命で人々を幸せに」という経営理念は、社員一人一人に浸透している。根底にあるのは常にスマートフォンを利用するお客さまの幸福。そしてそれは実現され続けている。これからも、ソフトバンクからは「ウルトラギガモンスター」のような業界初の企画が生まれ続けることだろう。彼らと共に主体性とスピード、そして志を持って新しい企画を世の中に発信していく次のメンバーは、あなただ。

PAGE TOP