プロジェクトストーリー

法人事業プロジェクト

ソフトバンクグループの
感情エンジンを自動車に搭載した、
会話ができる愛車の実現をめざす
本田技研工業(以下、ホンダ)との
共同研究プロジェクト。

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プロジェクト紹介

ソフトバンクとホンダのコラボで生まれた、車とAIの融合

2017年1月5日、ラスベガスで開催されたアメリカ最大の家電見本市「CES 2017」で、ホンダは、自動運転機能を備えたEVコミュータ(小型の電気自動車)のコンセプトカー「NeuV(ニューヴィー)」を発表した。これこそ、ソフトバンクとホンダの共同研究プロジェクトから生まれた「感情エンジンHANA」(Honda Automated Network Assistant)を搭載した、人の感情を読み取り、運転者と対話ができる車である。

メンバーMEMBER

法人事業統括
法人事業開発本部
事業開発第2統括部
ホンダ事業推進室

中村 貴宏

[ 入社12年目 ]

法人事業統括
法人事業開発本部
事業開発第2統括部
ホンダ事業推進室

木戸 奈央子

[ 入社7年目 ]

法人事業統括
法人第三営業本部
第三営業統括部
第2営業部 2課

池田 裕太郎

[ 入社4年目 ]

それは新しいバリュー(価値)を創造するチャレンジだった。

2016年7月、ソフトバンクとホンダが共同研究に乗り出した。具体的なサービスの構想があってスタートしたものではない。ソフトバンクがホンダのカーナビサービス用の通信回線を提供するなど、両社のビジネス上の関係が長く続く中で、互いの技術を組み合わせて新しいバリュー(価値)を創造しようと持ち上がったチャレンジだった。

トップ同士の合意を受け、ホンダとの事業推進を担当していた中村は、通い慣れたホンダ本社を上司とともに訪ねた。当初プロジェクトに携わることが決まっていたのは中村ひとりだったが、しばらくして木戸を含む2人が参加し、テーマを模索する日々が始まった。

目指したのは愛車を超えた“相棒”。

AI搭載のアイデアはすでに出されていたが、利便性が向上するだけでは良い感触は得られない。しかし、タイムリミットは迫っている。プロジェクトの期限は決まっていたので、そこから逆算すれば、早急にプロジェクト自体のテーマを決めなければならない。何度も議論を重ね、質問応答システムの導入などいろいろな案が出たが、なかなか決め手となるものは出てこなかった。2015年の夏、起死回生の思いでホンダの研修の合宿先まで出向いて行ったデモンストレーションが、ついにホンダ側に響いた。ソフトバンクグループのcocoro SBが開発したAI技術「感情エンジン」※は、各種センサーが収集した情報から機械が擬似的な感情を生成させる、すなわち人間の感情を表現するだけでなく、自ら感情を持ち、共感することも可能になるAIだ。そう、たどり着いたのは車とAIの融合、運転者と感情を持って接するAIを搭載した車だった。

プロジェクトの方向性は定まったが、車が感情を持ち、対話することにどんなメリットがあるのか、という疑問が浮上した。誰も明快な答えは出せなかった。議論の末に行き着いたのは、車を愛する人に、愛車を超えた“相棒”を提供することだった。感情エンジンを搭載した車は、運転者と経験を共有し、成長していく。乗り続けるうちに成長する車に、運転者は友人や相棒のような愛着を感じるに違いない。「本当に悩みました。今でも結論は出ていないのかもしれない」と中村は言う。それでも、対話ができる車は、車を愛する人にとって夢であることは間違いない。そして、単なる移動の道具として考えている人には“車を愛する楽しさ”を贈ることができるのだ。愛車を超える“相棒”のイメージは、映画スター・ウォーズに登場する、おしゃべりで愛敬があるロボットC-3POのような車だった。

プロジェクトを陰から支えた若手の活躍。

プロジェクトの方向性が決まり、ついにソフトバンクのエンジニアも開発に向けて本格的に動きだすことになった。エンジニアが所属する技術部門や管理部門の承認など、さまざまな手続きが必要だった。その重要な社内調整を任されたのが、法人第三営業本部、入社4年目の池田である。プロジェクトの規模が大きいため、予算の確保などに役員の承認が必要だったが、期日は目前に迫っている。自身の上司も含めとにかく可能な範囲でいろいろな人を巻き込みながら入念に準備を整えてプロジェクトの趣旨、将来性を丁寧に説明した結果、無事に承認を得ることができた。

こうして、共同研究プロジェクトは走り出した。発足前、「自動車と情報通信というまったく違う両社は水と油なのでは」という懸念があったが、始まってみれば共通点もあり、一つの目標に向かってやりぬくことができた。
プロジェクト発足から2年、遂に両社の技術が融合したコンセプトカー「NeuV」が完成した。だが、これは最終地点ではない。実用化、事業化を考えれば課題はまだ山のようにある。このプロジェクトの真のゴールは、街を走る「NeuV」が日常風景になることなのだ。

求められるのは、エッジの効いた柔軟な発想力

一人から始まった、この車好きの夢を実現するプロジェクトは、今ではメンバーの数も増えてきた。年齢や性格もまちまちで、必ずしも車好きではない。むしろ、車の知識のない人の意見が有益な場合も多かった。車というと男性中心のイメージがあるが、木戸が加わることで、女性ならではの発想も取り入れることができた。ソフトバンクでは、きめ細やかな配慮や几帳面さなど女性としての特性を生かし、法人事業部門で活躍する社員が増えている。

今後も、このプロジェクトのように“0(ゼロ)”から“1”をつくる仕事が増えていくのは間違いない。一般的にはソフトバンクは携帯電話会社というイメージが強いが、情報通信を中心にした事業で大きく躍進しており、グループに新しい会社が加わるたびにシナジー(相乗効果)を生かした新たなサービスが生まれていく。その中では既存の枠組みにとらわれない柔軟な発想をできる人材が必要だ。新しいものに興味を持ち、何の分野でも構わないので「これだけは誰にも負けない」という何かがあると良い。
グローバルに展開しているソフトバンクは海外進出する際のパートナーとして望まれることも多く、果敢に仕事に飛びこめる人材を必要としている。学生のうちは目標が見つからなくても、まずは「何かをやってやろう」という志があれば良いのだ。

※「感情エンジン」について
cocoroSBが開発したAI技術で、機械自らの感情を擬似的に生成する機能を有する。

※2017年2月時点の情報です。