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ソフトバンクIT領域 エンジニア集団として活躍するための一歩。 知識・スキルを磨く新入社員向け技術研修レポート

ソフトバンクの通信事業を支えるITシステムの開発、保守、運用を担うIT部門では 、新入社員を社外でも通用する一流のエンジニアに育成するため、より実践的な研修を実施しています。
この記事では、IT部門で実施した2021年度の研修内容について紹介し、ソフトバンクでの仕事に興味を持つ皆さんに、ソフトバンクにおけるITの魅力をお伝えします。

<参考>2020年度の研修内容
IT業界をリードするエンジニア集団を目指して研修を大改革! ソフトバンクIT本部の新入社員研修レポート

研修の狙い
4月に入社したソフトバンクの新入社員は、人事部門主催の共通研修(ビジネスマナーからJavaやPythonなどを用いた基礎的なプログラミング講習など)を受けた後、 6月にはそれぞれの部門に配属されます。IT部門に配属された新入社員に対しては、ソフトウェアのプロフェッショナルとして第一線で活躍する講師を社外から招聘して、最新の技術トレンドを踏まえたより実践的な研修を提供しています。研修の狙いは以下2点です。

1.社外の第一線で活躍するエンジニアの世界観について理解し、今後のエンジニア人生の指針とする。

2.チーム開発を体験しながら、同期だけでなく先輩、そして社外のアジャイルコーチとのネットワーキングを強化し、コミュニティーを形成する。
 
研修のアウトライン
今年度の研修は大きく分けて、①社外の第一線で活躍するエンジニアによる講演、②システム開発に関する最低限のスキル・知識を身に付けるための20日間のサブジェクト型学習、③座学の研修で身に付けたスキル・知識を駆使してチーム開発を体験する25日間のプロジェクト型学習の3点で構成されています。

プロジェクト型学習(PBL)=Project-based Learning  :課題解決型学習スタイル
サブジェクト型学習(SBL)=Subject-based Learning :科目進行型学習スタイル
 

社外の第一線で活躍するエンジニアによる講演

ソフトウェアが世界を飲み込む理由 (Software is eating the world)」と言われて久しいように、ソフトウェアは我々の生活のあらゆる部分で利用されており、ソフトウェアなしで生活することは不可能と言っても過言ではありません。さらに、COVID-19の世界的流行により、我々の日常生活はすっかり一変しました。リモートワークが普及し、Zoomなどのオンラインコミュニケーションサービスの活用が進み、DX(デジタルトランスフォーメーション)に注目が集まっています。

日本でもさまざまな場面で「DX」という言葉があふれる中、本来のDXを正しく理解するとともに、ITの魅力を新入社員に理解してもらうことを目的として、「中山ところてん」として著名な NextInt社の中山 心太さんに、「ビジネスパーソンのためのDX入門講座」と題して講演をいただきました。

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講演では、日本では3つのDXの概念が闇鍋状態になっているという指摘の下、本来のDXとは何であるかを説明いただきました。講演を聞いた新入社員からは「さまざまな観点をもってIT業界で生き残る方法やDXの本当の意味について考える機会をいただけて嬉しかったです」、「日々の生活で耳にするDXと本来のDXの間に乖離がある場合があることを理解できた。気付かぬうちに本来のDXの意味を忘れないようにしたいと思った」など、DXについて正しく理解し、エンジニアとしての勉強方法や情報収集の方法にも関心が寄せられるなど、有意義な講演となりました。

また、現在、エンジニア35年定年説は過去のものとなり、シリコンバレーなどの海外では50歳を超えても現役で活躍するエンジニアも珍しくありません。常に学び続け自身のポートフォリオをメンテナンスしていくことがエンジニアとして生き残る上で非常に重要です。このようなマインドセットを身に付けるべく、昨年度に引き続き、和田 卓人さんに「ソフトウェアエンジニアとしての姿勢と心構え」というタイトルで講演をいただきました。

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講演では「達人プログラマー」や「プログラマが知るべき97のこと」などの名著を紹介しながら、ソフトウェアエンジニアの心構えやキャリア戦略についてお話しいただきました。講演を聞いた新入社員からは「エンジニアとしての思考の仕方と習慣を学べた気がした」などの声があり、これからのエンジニア人生を具体的にイメージできたようでした。また、これらの講演はリモートの利点を生かして、新入社員だけでなく、ソフトバンクのIT部門で働く社員に共有され、我々IT部門の社員にとっても価値ある講演となりました。

サブジェクト型学習

IT部門ではプログラミング言語としてJavaが主流であるため、サブジェクト型学習ではSpring Bootによる Kubernetesを利用したシステム開発を行うための必要最低限のスキルを学びます。特に、今年度の研修では、実装経験を積むためにソフトウェアテストに力を入れ、カリキュラムではJUnitやSpring Testに取り組む時間をしっかりと確保しました。

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COVID-19の影響もあり、今年度もZoomを利用したリモート形式で研修を行いました。モダンなシステム開発の研修が充実しているカサレアルの協力の下、当社のニーズに合わせた形で研修を実施しました。 昨年度に引き続きSpring Frameworkの開発元であるPivotal(現在のVMware)のCore Spring研修の認定講師でもある多田 真敏さんに研修の講師を担当いただきました。サブジェクト型学習といってもただ知識を詰め込んでいくのではなく、適宜、演習によるアウトプットで理解を深める形で進められ、非常に充実した研修となりました。

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研修のテキスト以外に、参考になる書籍やQiitaの記事などの旬な知識や社会人としての心構えなどもお話しいただき、実際に研修を受けた新入社員からは「学んだものをすぐに試せたり、疑問にとことん向き合ってもらえたりと自分から受講したくなる研修でした」、「今まで受けてきた研修で一番ためになり、そして楽しめる研修でした」、「多田さんの説明が親切で、教えてくださるノウハウが自分と非常にマッチしたために全く知らなかったJavaとSpring Boot、Dockerなどの領域に自信を持つことができました。会えてすごく嬉しいです」などのポジティブなフィードバックが多数、寄せられました。

さらに、サブジェクト型学習の締めくくりとして、日本におけるテスト駆動開発の第一人者である和田さんにテスト駆動開発ワークショップも実施いただきました。テスト駆動開発は、XP (エクストリームプログラミング) から生み出されたため、アジャイル開発のプラクティスと理解されがちですが、アジャイル開発以外のウォーターフォール開発でもテストコードを書くことは非常に有用です。

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ワークショップは、テスト駆動開発:TDD(Test-Driven Development)についての講義、FizzBuzz問題を題材とした和田さんによるライブコーディング、Javaを使ったワークショップの順で実施され、和田さんから一人一人レビューを受けました。ワークショップを受けた新入社員からは「テスト駆動に関してテストが書きにくいコードはアーキテクチャがおかしいというのは本当にそうだなと実感しました」、「ライブコーディングしながら楽しく聞くことができたとともに、TDDに限らずどういうことを考えながらコーディングすべきなのかが伝わってきてとても勉強になる講演でした」などの声が聞かれ、社会人としてのシステム開発におけるテストの重要性が十分に伝わったものと思われます。

プロジェクト型学習

サブジェクト型学習でシステムを開発するための最低限の知識を身に付けた後は、昨年度に引き続き「オンボーディングサポートサービス」を題材として、5人一組のチームで、Project Based Learning(PBL)を実施しました。PBLはチーム開発となるので、チームビルディングが非常に重要になります。チーム決めに際してはまず、やっとむ屋のやっとむさんに心理的安全性について説明いただいた後、心理的安全性ゲームで新入社員同士の親睦を深めつつ、事前に作成しておいたスキルマップも参考に、レベルが偏らないようチーム決めを行いました。

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さらに、実際のPBLでは、昨年に引き続き筑波大学や産業技術大学院大学においてenPiTで、実際に学生に指導経験のあるデロイト トーマツ コンサルティングのきょんさん、アトラクタの永瀬さん、新入社員研修の経験が豊富なアジャイルモンスターの及部さん、アギレルゴコンサルティングの川口さんと、指導経験の豊富なアジャイルコーチを招聘して、5週間という期間で実施しました。

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昨年度に引き続き、アジャイル開発において現在標準的な1週間のスプリントを基本として、研修も以下のような1Dayスプリントでタイムボックスを意識した研修を実施しました。

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COVID-19の影響でPBLもリモート形式で実施しましたが、昨年度のノウハウ、経験もあったので、今年度は非常にスムーズに、より洗練されたPBLを進めることができました。さらに、今年度の新たな試みとして、昨年度の新人研修を受けた先輩社員が各チームのサポートに付いたり、新入社員の皆さんが開発中のシステムに対して抜き打ちで探索テストを実施して、具体的な不具合を指摘しながらソフトウェアの品質について説明したり、社員が積極的に新人研修に関わる取り組みを試みました。今後も社内独自の研修コンテンツも拡充していきたいと考えています。

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最終成果発表

研修の最終日、全てのチームが完成したシステムを本部長に発表し、研修を成功裏に締めくくることができました。以下は当社の新入社員が開発したシステムを発表する様子です。

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▲「光のハンバーガー.pl」チームのsonnpassの発表

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▲「Code Dance」チームのPeerWorkの発表

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▲「CANPAM」チームのyour l Hubの発表

昨年度の優勝チームは、研修で開発したシステムを配属後も社内利用を見据えて継続開発する権利を与えられたこともあり、今年度はどのチームも優勝を意識した、完成度の高いシステムが多かった印象です。

まとめ

本記事では、昨年度に引き続き、ソフトバンクのIT部門で実施した新入社員研修について紹介しました。IT部門では、ソフトバンクのITの魅力をアピールするために、近年はカンファレンスのスポンサーをしたり、積極的に外部講演に登壇したりと、コミュニティーとの関係を重視してさまざまな取り組みを行ってきました。そのご縁もあり、多くの方々の協力を得て、非常に魅力的な研修を実施できたと感じています。

また、研修期間中に開催されたスクラムフェス大阪には、本研修を受講した新入社員の約7割が参加し、コミュニティーとの関わりを持つことができました。今後もIT部門では、コミュニティーとの良好な関係を構築し、社外でも通用する一流のエンジニア集団を目指して、ソフトウェアエンジニアの育成に力を入れていきたいと思います!

※ 本記事は研修実施(2021年6月)当時の情報を基に作成しています

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