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吹奏楽で全国金賞。団体競技で培った強みが、サービス開発でのマネジメントに直結している

大学時代に吹奏楽で全国金賞に輝いた経験から、2013年にNo.1採用でソフトバンクに入社した崎原 涼子。法人営業やサービス開発に、吹奏楽の経験や団体競技で培った強みがどのように発揮されているのか。これまでの人生を振り返りながら、語ってもらいました。

全国大会の舞台で、一緒に喜ぶ。一緒に泣く。その感動を味わいたかった

大学時代に吹奏楽で全国金賞を獲得した崎原。彼女が楽器を手に取ったきっかけを聞いてみました。

崎原「小学校の金管クラブで楽器に触れたのが最初で、本格的に練習を始めたのは中学生の部活動からです。楽器はトロンボーン。当時は、周りに比べて背が高くて腕が長かったこともあり、先生に勧められたのがきっかけです。腕のスライドで音を調整するのが、他の楽器には無い面白さだと感じました」

部活動で楽しむことから音楽を始めた崎原。そこから全国金賞を獲ろうと本気で取り組むようになったことには、どのような理由があったのでしょうか。

崎原「テレビのバラエティ番組で、高校生の吹奏楽部を紹介するコーナーがあって。全国大会で活躍しているチームが登場するのですが、部員全員がキラキラと輝いていたのです。大会後に喜び合ったり、泣いたりする姿を見て、自分も同じような感動を味わいたいと思いました。そこからスイッチが入りましたね」
 

全てを捧げた高校の3年間。しかし、全国の舞台に一歩届かず

進学する高校は、レベルの高い吹奏楽部がある学校を選択。「全国大会の常連の指揮者が異動してくる」という情報をキャッチして、進学しました。

崎原「休みなく朝から晩まで練習漬けでした。進学校で勉強もおろそかにできないので、高校時代に遊んだ記憶はありません。全国に行きたい。見たことがない世界を味わってみたい。皆で感動したい。そのような思いで頑張っていました。吹奏楽は団体競技なので、自分だけでなく周りと一緒にレベルが上がっていく。レベルが上がると、奏でる音楽の質が明確に変わってくるのです。そのうれしさに病みつきになっていました。

ただ、目標とする結果は出せませんでした。地区大会→西関東大会→全国大会と進んでいくのですが、3年間で一度も全国大会には出場できなかった。西関東大会では上位に入賞したものの、全国大会にはあと一歩及びませんでした。最後の大会では、皆で号泣しながら帰路についたのを覚えています」
 

何が足りないのか。どうすれば人の心を動かせるのか。考え抜いた日々

崎原は諦めず、大学進学後に社会人の楽団に入団しました。全国大会への出場経験もある強豪の楽団です。

崎原「高校時代は周りを引っ張る立場でしたが、楽団ではレベルが高すぎてついていくことができませんでした。加えて、誰も知り合いがいなかったため、ゼロから自分の居場所をつくる必要がある。レギュラーに入るために、過去にやってきたことは一旦捨て、自分に向き合うことから始めました。何が足りないのか。どうしたら人の心を動かす音楽が奏でられるのか。その根本から考え抜きました。

そして、そこで認識した課題を潰すため、やみくもではなく頭を使いながら練習を重ねました。自分は速いフレーズを流暢に演奏するのが苦手だと気づき、個別にレッスンにも通って何とか克服。注意点を譜面にメモしていると、本番直前には真っ黒になっていました」
 

周りとの調和を生み出すために、徹底して共同で音を磨いた

吹奏楽は個人の能力の高さよりも、全体のまとまりや調和が重要になります。団体競技で成果を出すために、崎原はどのような努力を重ねていたのでしょうか。

崎原「入団した当初、痛切に感じていたのが、『自分が周りの音楽を壊してはいけない』ということ。ほんの少しの音程やリズムのズレが、音楽に“にじみ”を生み出し、65名全員の評価を下げてしまう。このような事態は絶対に避けなければなりません。レベルが上がれば上がるほど、ミスが浮き彫りになる。ですから、少しでも違和感があった際は、同じパートの仲間と共同練習を何十回も重ねることもありました。練習で合わなければ、本番で合うことは絶対にありませんから。

そして、大学2年生と3年生のときに、2度にわたり全国大会で金賞を獲得しました。演奏会で見ることができた頂点の景色は、今でも忘れることができません。全員で一つの作品を作り上げ、大きな結果につながったのは、これ以上ないほどうれしかったです」
 

自分の全てを注いだ経験を誰かに伝えたくて、「No.1採用」にエントリー

大学3年生になって吹奏楽の活動にも一区切りがつき、崎原は就職活動を始めました。どのようなプロセスを経て、ソフトバンクへの入社を決めたのでしょうか。

崎原「大学での専攻は応用化学です。がん細胞を研究していました。化粧品や化学メーカーを中心に情報収集を行っていた際、たまたま目に留まったのがソフトバンクでした。iPhoneを日本に普及させたり、新料金プランを次々と打ち出したりする姿を見て、この会社で働いたら飽きないだろうな、という印象を持っていました。

正直、No.1採用にエントリーする際『自分が受けて大丈夫かな、、、』とためらいはありました。団体競技で明確にリーダーとして引っ張ったわけでもないので。ただ、高校から大学までの7年間、自分の全てを注いだ経験を誰かに伝えたいという思いはありました。面接では人事の方が親身になって聞いてくれて、頑張ってきたことが報われた感じがしました」
 

社会人になっても、新たな山に登って、見たことのない景色を見たい

就職活動中、ソフトバンクにはどのような魅力を感じていたのでしょうか。

崎原「入社後も、これまで通りチャレンジを続けられるという印象を持ちました。『やりたい!』と手を挙げれば、自分次第でその機会を掴むことができると聞いていたので、常に前進できる環境だと感じましたね。吹奏楽では『見たことがない景色を味わってみたい』という思いから努力を重ねましたが、引き続き、同じスタンスで仕事に臨めると確信しました。内定と同時に入社を決断しましたね。ソフトバンクは、常に新しい技術やサービスで、社会を変革をしている会社ですから、また新たな山に登れそうだと思いました」
 

法人営業2年目で、No.1の実績。吹奏楽で培ったスタンスが成果につながった

崎原は「多くのお客さまと接することでビジネスの仕組みを知りたい」と考えて、営業の仕事を希望。2013年に入社後、「法人営業→営業サポート→新規サービス開発」とキャリアを歩んできました。No.1の経験で培われたものが、それぞれの仕事でどのように生きたのかを聞いてみました。

崎原「まずは、法人営業部に所属していた2年目のことです。法人営業の仕事は、顧客企業に対して、モバイルデバイスや各種システムなどのソリューションを提案し、業務の課題を解決に導くこと。あるお客さまに対して、クラウドを活用した業務効率化ツールを提案したのですが、全社でNo.1の規模の導入を実現しました。

吹奏楽で培った『物事に粘り強く取り組む姿勢』が生きたのだと思います。売上の目標に対して、自分に足りていない課題を分析して地道な努力で埋めていく。また、周りからのアドバイスを積極的に受けて、アレンジして取り入れる。全国金賞を獲得した際と同じプロセスで取り組むことで、大きな成果を残すことができました」
 

事務作業を自動化するサービス開発をマネジメント。粘り強い協働の末、リリースにこぎつけた

そして、2019年、崎原はジョブポスティング制度を利用し自ら手を挙げて営業組織からRPA(Robotic Process Automation)のプロダクト主幹部門へと異動。RPAツールや関連する支援サービスのプロモーションやマーケティングを担当後、自らサービスを生み出す企画・開発の仕事に就いています。主な仕事は、サービスの企画・開発とプロジェクトマネジメント。そのやりがいを語ってくれました。

崎原「2020年4月から3カ月間、事務作業を自動化するサービスの企画・開発をしました。事前に指示を出しておけば自動で業務を進めてくれる、クラウドを活用したソフトウェアです。私自身が営業サポートを担当していたとき、同じようなツールを使って50%の作業を自動化した経験があります。お昼ご飯を食べに行っている間に作業が終わっているといった体験を広めていきたいと考えて、この部署に異動してきました。

企画・開発の仕事は共同作業です。サービスをお客さまに提案する営業や、業務の自動化をサポートするコンサルタントと連携しながら、企画を練っていきました。その後は、ソフトウェアエンジニアやセキュリティ担当者とともにサービスを形にしていきます。リリースまでは苦労の連続で、それぞれのプロフェッショナルの力を借りながら、粘り強く社内で交渉することによって、何とかリリースにこぎ着くことができたのです。ゼロから新サービスを生み出して、大きな達成感を味わうことができました」
 

団体競技で培った強みを、ソフトバンクでは存分に発揮できる

新サービス開発においてもNo.1での経験が発揮できた、と崎原は言います。その詳細を聞いてみました。

崎原「サービスの理想形と現状を比較して課題を分析するのは吹奏楽と同じですね。課題解決のために具体的なタスクをどんどん潰していく。新規事業開発というと華やかなイメージを持たれがちですが、企画をする際も、サービスを形にしていく際も、地味な作業や難易度の高い交渉が多い。心が折れそうになることもあります。ただ、乗り越えた先には、今までとは違う高みに登ることができる。それが分かっているので、前に進み続けることができます。最後にきっと良いことがあると信じられること、そこまでの努力の大切さが身についていることが、私自身の強みでもあり、No.1の経験で得たことだと思いますね。

もう一つ。団体競技の中で培われたものが発揮できたとも感じています。新サービスも演奏会も、プロたちの誇りと能力が結集してできあがるものです。企画部門、営業部門、技術部門、運用部門で連携して一つの機能を不具合なく形にしていくのは、一つの和音を細かく合わせるのと似ています。小さなミスが全体に与える影響を実感しているので、細部に全員でこだわる。このようなスタンスで開発を進めたからこそ、リリース後に高い評価を得られたのだと思います。加えて、ソフトバンクでは、高い技術力を持つ社員たちとフラットに協業できるので、日々の開発が進めやすい。吹奏楽で金賞を獲れたときの環境に似ていると感じています」
 

「最新IT技術の宝庫」で、自分のやり方で世の中を前に進めていきたい

最後に、今後の展望について聞きました。

崎原「まずは、自分が開発・担当しているRPAのサービスを広めていきたいです。営業活動やセミナーを通して多くの方に利用いただいておりますが、おかげさまで好評です。RPAの本格的な導入ができれば、業務の負荷を大幅に軽減できます。世の中の事務作業をどんどん効率化していきたいですね。

その後は、より幅広いサービスを手掛けていきたいと思っています。ソフトバンクは"最新IT技術の宝庫”のような会社で、世界中のAI/IoT技術やソフトウェアが集積しています。これらの資産を生かして、私なりのやり方で世の中を前に進めていきたい。手を挙げれば機会を得ることができる環境なので、今後の自分がどのように成長していくのか、非常に楽しみです。

最後に一つ、先日、女性社員向けのキャリアセミナーに参加しました。子育てをしながら、課長、部長へとキャリアアップしている先輩社員の話を聞きました。女性が長く働ける会社であることも、この会社の魅力だと思いますね」
 
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